貴重なローヤルゼリーの生産
紀元前4世紀、哲学者のアリストテレスが、その著書「動物誌」にも記したと言われているローヤルゼリーは、当時からその豊かな栄養が世界で注目されていたと言います。
ミツバチが、花から集めてきた花粉を働き蜂が体内で消化、分解、生成して、その体内から分泌したものがローヤルゼリーです。
ローヤルゼリーは、はちみつとは異なる色と味覚を持っています。
舌をさすような酸味のある味で、はちみつの甘さとは全く違います。
ローヤルゼリーは、クリーム色をした液体です。
アリストテレスは、実際にはそのようなことはありませんが、このクリーム色の液体に浮かぶミツバチの幼虫が女王蜂へと成長することから、ローヤルゼリーそのものから女王蜂が生み出されると理解していたそうです。
女王蜂が生涯にわたって食する唯一の食物、それが王乳と呼ばれているローヤルゼリーです。
同じ有精卵から産まれたミツバチも、孵化した当初は、3日間だけローヤルゼリーを与えてもらえますが、その後も続けて与えてもらえるのは、将来女王となる女王蜂の幼虫だけなのです。
その他の幼虫たちは、将来働き蜂となるので、花粉とはちみつが混ざったえさを食べて大きくなります。
将来、女王蜂になる姫君は、王台と呼ばれる特別な部屋でローヤルゼリーだけをお腹いっぱい食べてすくすくと成長します。
働き蜂の寿命は1ヶ月程度と言われていますが、女王蜂の寿命は、3~4年と言われています。
また、女王蜂の身体の大きさは、働き蜂の約2~3倍に成長します。
働き蜂とは、全く別の生涯を送ることになるのですね。
このローヤルゼリーは、古代ギリシャ時代から注目されてきました。
1950年代、当時80歳を超えていたというローマ法王が健康のためにローヤルゼリーを飲用していたということで、世界的に有名になりました。
ローマ法王は、その素晴らしい効用をたたえる演説まで行ったそうです。
ローヤルゼリーは、働き蜂がその体内から分泌し、女王のためだけに与えるものなので、実際、自然の状態では、わずかな生産しかありません。
現在、私達人間が有用しているローヤルゼリーは、養蜂家がその高度な技術を駆使して、ミツバチの習性を利用してできるだけ多くを採集することを可能にしたものなのです。
ミツバチは、体重わずか0.1グラムという小さな生き物なので、この小さなミツバチが生産するローヤルゼリーが、いかに少なく貴重なものであるかがわかりますね。